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【アイデアソン前編】

「10年後に”できる” ことを考える」史上最もゆるいIoTアイデアソン開催。


10年後、私たちの能力はITによってどう変化する?

2016年3月7日、8日の2日間で、イノラボ主催のアイデアソン「”できる”ってなんだろうIDEATHON~2025年の能力開発~」を開催しました。場所は渋谷のFabCafe MTRL(ファブカフェマテリアル)。約20名の学生やエンジニア、銀行マンなど様々な職業の参加者が、4つのチームに分かれてディスカッションをしていきます。

「10年後の2025年、ITによって我々の能力はどう変化し、なにが”できる”ようになっているのだろう」というのが今回のアイデアソンのテーマ。

iPhoneがこの世に登場してから約10年が経過し、ここ数年間でIoTが盛り上がりを見せています。これまで1人では実現が難しかったことでも、モノとモノがつながったり、人と人が繋がることで実現ができる世界になりました。近年ではIoTだけでなく、こういったIoA(Internet of Ability)という考え方に関心が移りつつあります。今回のアイデアソンのねらいは、IoAの観点でエンジニアや銀行、商社など様々な分野で活躍するメンバーが交わり、2025年に私たちはなにが”できる”ようになっているのかを見つけていこう、というものです。

まずは主催であるイノラボ チーフプロデューサーの森田より冒頭挨拶。

「イノラボと東大の暦本研では、スポーツ分野をメインとした『スポーツ&ライフテクノロジーラボ』というものを立ち上げ、これまで2年間にわたり共同研究をしてきました。今日は『10年後に”できる”こと』という大きなテーマで、スポーツという枠に囚われずにIoAの世界観でなにをどれだけできるようになるかを着想してほしい」とコメントしました。

“できる”の未来。能力の拡張とは?

今回は10年後になにが”できる”ようになるかをみんなで考えるという、アイデアソン史上でも類を見ないほどざっくりとしたテーマかもしれません。(笑)アイデアを出す際に考えられる方向性としては大きく4つあります。

1つ目はウェアラブルを装着するなど「その瞬間だけできるようになる」能力を向上させるタイプのもの。2つ目は、英語を勉強したときに習得が早くなるような「学習効率が上がること(技能獲得)」を手助けするようなタイプのもの。3つ目は、既に何かの分野で「人にコツを教えるときに便利になる」もの。そして4つ目は「人間とAIを組み合わせて相乗効果が期待できる」もの。

暦本氏がIoAの具体例を紹介しています。例えばMITでは「もし手が4本あったら」というテーマで研究しているチームが実際にあったり、スポーツの分野ではテニスボールの軌道を読むといったことが実際に研究されていると説明しました。

また現代のチェス競技において、人間はすでにコンピューターチェスに勝てないと言われているけれど、人間とコンピューターがチームになればコンピューターチェスにも勝てることが分かっています。これは「サイボーグチェス」と呼ばれ、人間の直感力とAIの分析力を組み合わせてシナジーを引き起こしているのです。

これら暦本氏のプレゼンテーションに登場した具体例をヒントに参加者たちは、どのようなIoA技術が2025年までに実現可能か、ということを考えつつ10分間のプレゼンテーションを実施します。

なおプレゼンテーションの審査基準としては、1.アイデアは面白いか 2.ビジネスに活用できるか 3.実現可能な技術かという3つの軸をジャッジします。

審査員として、東京大学大学院情報学環 教授でイノラボのシニアリサーチフェローでもある暦本 純一先生と、今回のアイデアソン会場であるFabCafe MTRLを運営する株式会社ロフトワークの諏訪 光洋代表取締役社長、そしてイノラボから2名が参加しました。

アイデアソン開始!

それぞれA~Dの4つの班に分かれてアイデアソンがスタート。各班が議論し合ったり、紙にアイデアを次々に書き出したりと、早くもアイデアが浮かび上がっていました。

各参加者から出てきたアイデアから、どれが今回のアイデアソンのテーマに沿っているかなどをそれぞれの班が様々な方法でブラッシュアップしています。

A班では、味覚をIoAするウェアラブルデバイスのアイデアを中心に議論していました。「現在のIoA技術は”視覚”の能力に関するものが多い。だから視覚とは別の感覚をIoAしてみよう!」ということから、味覚に関するIoAを考えているようです。

B班は、主に感情によってどう人の能力は変化するのか、をテーマとして議論していました。例えば人を褒めると、能力の伸び方はどう変化していくのかなど。

C班は、顔を覆うマスクのようなウェアラブルデバイスのアイデアが浮かんでいました。マスクによって変装ができたり表情を豊かにするデバイスを考えているそうです。

D班は、世の中のギャップを埋めるAIを考えているようです。例えば「女性⇔男性」、「20代⇔70代」など、これらには大きなギャップがありますが、そのギャップをAIを用いて言語化できれば世界は平和になる!といったようなアイデアを構想しているようです。

Day.1は、このアイデア出しのディスカッションで終了です。各班から実現できそうなほど具体性のあるアイデアや、あったら面白いといったユニークなアイデアが浮かんでいて、参加者は楽しくディスカッションしている印象でした。Day.2では、Day.1に出たアイデアをブラッシュアップして、各班が審査基準に沿うかたちでプレゼンテーションを繰り広げる予定です。

text:INNOLAB.jp編集部