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AI時代の感情社会研究会―中間報告―

社会のあらゆる場面にAIが浸透しつつある現代社会において、AIを「使う対象」としてだけでなく、「関係を結ぶ相手」として捉え始める動きが見られます。AI時代の感情社会研究会では、AIが人間の感情、行動、社会的関係性にもたらす変化について多角的な検討をおこない、議論と研究成果の一部を中間報告としてとりまとめました。

報告書概要

AI時代の感情社会研究会は、AIの進展が私たちの感情や感情社会にどのような変化をもたらすのかを読み解くことを目的に発足した研究会です。アート・人文・社会科学の視点から総合的に探究し、人間とAIがよりよく協働するための知見を創出したいと考えております。本報告書は、その研究活動の中間成果をとりまとめたものです。

    レポート

    AI時代の感情社会研究会 中間報告書はこちら

          構成

          第1章 はじめに 
          第2章 テーマ研究
          ・感情社会学と障がい学の視点から
          ・制作室に同居する存在としてのAI
          ・AIで変わる人間の感情と意思決定——意思決定研究の観点から
          ・非人間対象との関係性の変容——愛着理論の視点から
          第3章 Keio-SPRINGのワークショップから考える
          第4章 アンケート調査結果
          第5章 中間総括と今後の展望

          第1章では、研究会の設立背景や問題意識を、先行研究を参照しながら整理し、AIを単なる道具ではなく人間と関係を結ぶ存在として捉える視点から、現代社会におけるAI観の分類をおこなっています。
          第2章では、研究会委員それぞれによる、感情社会学、制作活動、意思決定研究、愛着理論の四つのテーマ研究の概要を紹介しています。ここでは人間とAIの関係性や感情的交流のあり方について考察します。
          続く第3章では、慶應義塾大学で実施されたワークショップへの参与観察を通じて、若い研究者たちのAI利用実態やAIとの情緒的な関係性について得られた示唆を報告します。
          また、第4章では、アンケート調査結果をもとに、現在と30年後のAI観を定量的に比較しながら認識の変化について考察しました。
          最後の第5章では、中間成果を総括するとともに、AIとの共生が人間の感情文化や社会関係に与える影響について今後の研究課題と展望を示しています。

          なお、本研究会では引き続き対話的な研究活動を進め、最終報告書を2027年3月頃に公開する予定です。

          お問い合わせ先

          本調査に関するお問い合わせ先
          qsociety@dentsusoken.com
          担当:岡田、座間

          Photograph by Markus Winkler on Unsplash

          プロフィール

          岡原 正幸

          おかはら・まさゆき

          慶應義塾大学 名誉教授

          1957年生まれ。慶應義塾大学名誉教授。文学部教授および大学院社会学研究科委員長、慶應義塾評議員などを歴任。専門は、感情社会学、障害学、アートベース・リサーチ。 現在、慶應義塾大学研究連携推進本部次世代研究者育成特別委員。 著書として『生の技法 家と施設を出て暮らす障害者の社会学』(藤原書店、1990年/文庫版生活書院、2012年)『ホモ・アフェクトス』(世界思想社、1998年)『黒板とワイン もう一つの学び場「三田の家」』(慶應義塾大学出版会、2010年)『感情資本主義に生まれて』(慶應義塾大学出版会、2013年)『アート・ライフ・社会学―エンパワーするアートベース・リサーチ』(晃洋書房、2020年)など。

          島影 圭佑

          しまかげ・けいすけ

          公立はこだて未来大学 准教授

          1991年生まれ。デザインリサーチャー。公立はこだて未来大学准教授、武蔵野美術大学通信教育課程臨時講師、多摩美術大学統合デザイン学科非常勤講師、有楽町藝大キャンパス アート・リサーチ演習(実習編)担当講師。東京藝術大学GA毛利研博士。世界平和のためにデザインになにができるか、デザインはどう更新されうるか、を実践/研究/教育を通じて探求。障がい福祉・情報技術・デザインの交差点、知の生成と流通の現場としての展覧会、思索のためのデザインなどを主題に活動。研究会「デザインの現在」を共同運営。

          岡田 芳樹

          おかだ・よしき

          研究員/プロデューサー

          1986年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了。政策シンクタンク、公立小学校教員、金融系シンクタンクを経て現職。主な研究テーマは「教育社会学」「感情社会学」「戦略(インテリジェンス/コミュニケーション)」。

          座間味 和

          ざまみ・のどか

          研究員/プロデューサー

          1987年沖縄県生まれ。2022年にISIDビジネスコンサルティング(現・電通総研)に入社。戦略コンサルタントとして、企業の事業構想策定および戦略立案、実装支援に従事。2026年より現職。テクノロジーに関わる人の感情や行動変容に関心をもち、主な研究テーマは「感情とAI」「ウェルビーイング」。